今、SNSや街中で「ただ左右に揺れているだけ」に見えるのに、なぜか若者の間で爆発的に流行している謎のダンス、それが「横揺れダンス」です。
「なんじゃそれ?」と疑問に思う方もいれば、「ダサい」と感じる方もいる、賛否両論のムーブメントです。
この超シンプルな横揺れダンスは、特定の楽曲と結びつき、独自の文化として広がり続けています。
本記事では、この横揺れダンスの元ネタや基本的なやり方、流行の背景にある「仲間感」の秘密まで、皆さんが知りたいことを全て解説いたします。
なぜ流行が止まらないのか、その深層を一緒に見ていきましょう。
- 横揺れダンスって何?元ネタ・本家は誰?
- 横揺れダンスで使われる定番曲一覧
- 横揺れダンスが「ダサい」「気持ち悪い」と言われる理由
横揺れダンスって何?なんじゃそれ感ある流行ダンスの正体

この数年、特に若い世代の間で大流行している「横揺れダンス」ですが、「ただ左右に揺れているだけじゃないの?」と首をかしげる方も多いのではないでしょうか。
元々はクラブなどの音楽イベントで自然発生したリズムの取り方が、SNSを通じて「横揺れダンス」という名前で一気にブームになった、というのがその正体です。
足を肩幅程度に開いて軽く膝を曲げ、上半身全体を左右へスライドさせるように動かすのが基本で、高度なテクニックは一切不要。
その手軽さとは裏腹に、独特な雰囲気を持つことから「なんじゃそれ感」があるのも特徴です。
ただ左右に揺れるだけのダンス?
横揺れダンスの最大のポイントは、その動きのシンプルさにあります。
ダンス経験や運動神経が全くなくても、音楽に合わせて体を右、左と移動させるだけで成立するのが特徴です。
本格的なダンスにあるような複雑なステップや、激しいジャンプなどは基本的にありません。
肩や上半身を左右にスライドさせる動きがメインになるため、まるで酔っぱらっているような、あるいは無表情で淡々とリズムをとっているような、独特な「脱力感」を醸し出すことができます。
この単純さゆえに、「手抜きに見える」「ダンスと呼べるのか?」といった声も聞かれますが、その手軽さが若者にはウケています。
なぜ若者の間で流行っているのか
横揺れダンスが若者の間で流行している背景には、「参加のしやすさ」が深く関係しています。
複雑な動きがないため、ダンスが初めての初心者でも、短い動画を見ただけで即座に真似できます。
特にTikTokなどのSNSでは、投稿動画の尺が短く、このシンプルな動きがリズムに乗りやすく、投稿しやすいという利点があります。
仲間と一緒に同じ動きをすることで、場所や経験に関係なく「同じノリを楽しんでいる」という連帯感が生まれやすいのです。
元々クラブ文化などで生まれた「ノリ」を、SNS時代に合わせて誰もが共有できる形に切り出したことで、若い世代の仲間意識やパーティー文化と見事にマッチしたと言えるでしょう。
SNSで爆発的に広まった理由
横揺れダンスが爆発的に広まった最大の舞台はTikTokです。
このダンスは動きが左右へのスライドと単調なため、短い動画でもリズム感が伝わりやすく、ユーザーの目を引きやすいという特徴があります。
特に「CHERNOBYL 2017」などの重低音が響く定番曲と組み合わせた投稿が連鎖的に生まれ、SNSのレコメンド機能(アルゴリズム)に乗りやすかったことが拡散の大きな要因です。
特定のインフルエンサーの方が火付け役となった投稿がバズり、それを見た他のユーザーがすぐに真似して投稿するという流れが生まれたことで、瞬く間に「横揺れダンス界隈」というコミュニティが形成され、若者層に浸透していきました。
横揺れダンスの元ネタ・本家は誰?

「横揺れダンス」がこれほどまでに流行すると、「このダンスを最初にやった人は誰?」「本家はどこなの?」という疑問が湧いてきますよね。
実は、このダンスに明確な「本家」はいません。
起源を辿ると、2010年代前半の動画共有サービスVine時代に、クラブやEDMイベントでのリズムの取り方として自然発生した動きが基盤になっています。
それが、特定のノルウェー発の楽曲「CHERNOBYL 2017」と結びつき、TikTokなどのSNS上で「横揺れダンス」という名前で再発見・再解釈されて、現代のブームを巻き起こしました。
元ネタとされる「CHERNOBYL 2017」とは?
横揺れダンスの流行を語る上で欠かせないのが、楽曲「CHERNOBYL 2017」です。
これはノルウェーの音楽プロデューサーが2017年にリリースしたEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)のトラックで、特に低音が強調された、ゆったりとしたリズムが特徴です。
この曲のビートに合わせて体を左右に揺らす動きが、非常に気持ちよく、視覚的にも映えたため、SNS上での定番BGMとなりました。
楽曲の持つ退廃的でありながらクールな雰囲気と、無表情で淡々と揺れる横揺れダンスのスタイルが結びつき、単なるダンス動画を超えた独特のミーム文化として拡散していったのです。
最初に話題になったのはTikTok?
横揺れのようなシンプルなリズムの取り方は、実は2013年頃に流行した短尺動画サービスVine(ヴァイン)ですでにクラブノリとして見られていました。
しかし、日本で「横揺れダンス」として爆発的な流行になったのは、2020年代に入ってからのTikTokでの再燃がきっかけです。
TikTokerの「グリ長」さんや「こうちぇる」さんのようなインフルエンサーの方々がこの動きを取り入れた投稿を行い、それが数千万回再生という大バズリを生みました。
Vine時代の動きが、TikTokという現代のプラットフォームと「CHERNOBYL 2017」などの楽曲によって最適化され、全国的なムーブメントに発展したと言えます。
日本で火がついたきっかけ
日本で本格的に横揺れダンスに火がついたのは、主にTikTokerの方々の影響です。
特に「グリ長」さんや「こうちぇる」さんといったクリエイターの方々が、「CHERNOBYL 2017」などの重低音が響く楽曲に合わせて揺れる動画を投稿し、その独特の空気感が若者の心を掴みました。
夜景や廃墟といった背景で、仲間とシンクロして無表情で揺れるスタイルが「チャラい」「やんちゃなノリ」として注目され、ヤンキー界隈や「やりらふぃー」(パーティー好きの若者)と呼ばれる層から急速に人気を集めました。
その後、そのシンプルさから小中学生までが真似をし始め、社会現象と化して全国的なブームへと発展したのです。
横揺れダンスで使われる定番曲一覧

横揺れダンスの魅力の一つは、特定の曲とセットで楽しむ「空気感」にあります。
動きがシンプルな分、BGMの持つ世界観が動画全体の印象を決定づけると言っても過言ではありません。
特にこのダンスが爆発的に広がるきっかけとなったのは、特定の重低音EDMトラックとの組み合わせでした。
現在では、その元祖となる曲に加え、横揺れダンスのために作られたようなミーム系の曲も次々と登場し、横揺れダンスの多様な楽しみ方を広げています。
ここでは、横揺れダンスの動画を彩る定番曲と、曲選びのポイントをご紹介します。
「CHERNOBYL 2017」
横揺れダンスブームを語る上で、この「CHERNOBYL 2017」は絶対に外せません。
ノルウェーのプロデューサーが発表したこのEDMトラックは、地鳴りのような重低音と、比較的ゆったりとしたリズムが特徴です。
この独特のビートが、膝を軽く曲げて左右に体をスライドさせる横揺れの動きに完璧にフィットしました。
また、曲中の歌詞「JEG VIL AT VI」が、横揺れダンス界隈のノリを表す「ヤリラフィー」という言葉に空耳されたことも、ミームとしての拡散を後押ししました。
夜景や廃墟を背景にこの曲に合わせて揺れる動画のスタイルは、この曲によって定着したと言えます。
重低音強めのEDMやHIPHOPとの相性が良い理由
横揺れダンスは、複雑なステップではなく「リズムをどうとるか」が重要なダンスです。
そのため、重低音が強調されたEDMやHIPHOPは、その動きと最高の相性を発揮します。
低音の強いキック(バスドラム)やベースの響きは、体全体、特に膝や上半身を内側から振動させ、意識せずとも体が左右に揺れ出すような感覚を与えてくれます。
これにより、ダンス初心者でも「ノリ」を掴みやすくなり、複雑な動きをせずともグルーヴ感(一体感のあるリズム)を出すことができるのです。
この音の特徴が、横揺れダンスの持つ脱力感やクールな雰囲気をさらに高めてくれます。
おすすめの音源・音の特徴
横揺れダンスを始めるなら、まずは元祖の「CHERNOBYL 2017」から入るのが定番です。
慣れてきたら、このムーブメントに乗って登場した「DJ 横揺れ」さんが手掛けた「ナルトダンス」や「西山ダディダディ」などのトラックもチェックしてみましょう。
これらの曲は、ゴリゴリの低音ベースとキャッチーなフレーズが繰り返される中毒性の高いリズムが特徴で、まさに横揺れのために最適化された音源と言えます。
曲を選ぶ際のポイントは、一拍一拍が重く、リズムが単純で分かりやすいこと。
これにより、仲間との動きのシンクロ率が高まり、動画映えする「仲間ノリ」の雰囲気を出すことができます。
横揺れダンスのやり方|初心者向けのコツ

横揺れダンス最大の魅力は、「誰でもすぐにできる」という手軽さです。
複雑なステップを覚える必要はなく、音楽に合わせて体を揺らす「ノリ」の感覚さえ掴めば、すぐにSNSに投稿できるレベルになります。
しかし、ただ左右に揺れるだけでは「ダサい」「初心者っぽい」と思われてしまうかもしれません。
このダンスが持つクールでエモい雰囲気を出すためには、いくつかのコツがあります。
ここでは、ダンス経験ゼロの方でも15分で基本をマスターし、横揺れダンス独特のグルーヴを出すための実践的なテクニックをご紹介します
基本はリズムに合わせて左右に揺れるだけ
横揺れダンスの動きは非常にシンプルです。
まず、足を肩幅くらいに開いて立ち、軽く膝を曲げて腰を落とします。
このとき、膝をガチガチに固めずに、いつでも上下に動けるように柔らかく保つのが重要です。
次に、音楽の重低音のビートをよく聞き、そのリズムに合わせて体重を片足からもう片足へと移動させます。
体重を移動させるタイミングで、上半身も合わせて左右にスライドさせましょう。
足を揃えながら横に移動させる「シャッフル」のようなステップを加えると、より本格的な横揺れダンスになりますが、最初は「たん、たん、ぽん」というリズムで体重移動を繰り返すだけでも十分です。
雰囲気を出すポイント(肩・目線・重心)
ただ揺れるだけでなく、横揺れダンスの持つクールな雰囲気を演出するには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 肩(上半身): 肩の力を抜き、リラックスした状態で左右にスライドさせます。このとき、少しだけ上下に軽いバウンス(弾み)を加えることで、動きに柔らかさとリズム感が生まれます。体が硬いとロボットのように見えてしまうので注意が必要です。
- 目線: カメラや前方に目線を固定し、表情はクールに、または無表情を保ちましょう。これが、このダンス特有の「静かな狂気」やミステリアスな雰囲気を演出する鍵です。笑顔や大げさな表情は避けてください。
- 重心: 膝を深く曲げて重心を低く保つと、動きに安定感と重みが出て、こなれた印象になります。体重移動もスムーズになり、仲間とのシンクロ感も高まります。
やってはいけないNG動作
誰でもすぐにできる横揺れダンスですが、雰囲気を台無しにしてしまうNG動作がいくつかあります。
- 激しい縦揺れ・ジャンプ: このダンスの核はあくまで「横」の動きです。激しくピョンピョン跳ねるような縦の動きや、縦揺れが多すぎると、横のリズムが崩れてしまい、単調で手抜きに見えてしまいます。
- 体が硬直している: 膝や肩が固まっていると、動きが不自然で機械的に見えてしまい、横揺れダンス特有の「ノリ」や脱力感が失われます。リラックスして、柔軟に体を動かすことを意識しましょう。
- リズムを無視した速いスライド: 音楽のビートを無視して、やみくもに速く体を左右に動かすと、せっかくのグルーヴ感がなくなり、初心者丸出しの違和感のあるダンスになってしまいます。必ず重低音に合わせてゆっくりと体重移動しましょう。(300文字)
横揺れダンスが「ダサい」「気持ち悪い」と言われる理由

誰でも簡単に真似できる手軽さが魅力の横揺れダンスですが、その流行の裏側では「ダサい」「見ていて気持ち悪い」といった批判的な意見も多く聞かれます。
このダンスの「なんじゃそれ感」が、人によっては強い拒否反応を生んでしまうのです。
その原因は、動きのシンプルさゆえに「真面目に踊っていない」という印象を与えてしまうことや、SNSでの拡散方法が特定のコミュニティのイメージと結びついてしまった点にあります。
ここでは、なぜ横揺れダンスがネガティブな言葉で語られてしまうのか、その具体的な理由を掘り下げていきましょう。
動きが単調で手抜きに見える
横揺れダンスは、複雑なステップやテクニックを一切使わない超シンプルな動きが特徴です。
しかし、これが裏目に出て、「単調すぎる」「工夫がない」と評価されてしまうことがあります。
特に、他のダンス経験者や、高度な技術を求める人から見ると、「ただ体を左右に揺らしているだけじゃないか」「これって手抜きでは?」と感じられてしまうのです。
さらに、動画では表情を固定して無表情で揺れるスタイルが多いため、その反復的な動きがまるで機械のようで、人によっては生理的な違和感や不気味さを感じてしまうケースもあります。
「真面目にダンスをしていない」というノリの軽さが、「ダサさ」の核心となってしまっていると言えるでしょう。
チャラい・痛いと言われる背景
横揺れダンスのイメージ悪化に大きく影響したのが、SNSで最初にバズった動画の背景です。
一部の不良少年や、派手なことが好きな「パリピ」(パーティーピープル)と呼ばれる層が、夜景や公共の場で集団で踊る動画が多く投稿されました。
このため、横揺れダンス自体が「反社会的」「軽薄なノリ」といったイメージと強く結びついてしまいました。
また、カメラに目線を送りながら無表情を貫く「キメ顔」のスタイルが、「自分に酔っている」「ナルシスト的」と受け取られやすく、「痛い」と揶揄される原因にもなっています。
親世代や一般層から見ると、「バカっぽい」「軽薄な流行に流されている」という拒否反応が生まれやすいのです。
場所によっては迷惑・浮くことも
横揺れダンスは、その手軽さゆえに、場所を選ばずに踊られてしまうことがあります。
例えば、学校の廊下や公共の施設、人通りの多い場所などで集団で踊り、動画を撮影する行為は、周囲の人々にとって「騒がしい」「邪魔だ」と感じられてしまう迷惑行為になりかねません。
特に、クラブやイベントなどの音楽の場においても、選曲と合わない横揺れダンスをフロアの中心で行うことで、他の参加者の邪魔になったり、雰囲気を壊して「浮いている」と見なされることがあります。
ダンスのノリ自体が独特なため、TPO(時・場所・場合)を無視した行動は、横揺れダンスのイメージをさらに悪化させる一因となっているのです。
それでも流行が止まらない理由

「ダサい」「気持ち悪い」といった批判的な声があるにもかかわらず、なぜ「横揺れダンス」はこれほどまでに人気が続き、特に若い世代に広がり続けているのでしょうか。
それは、このダンスが「ダンスの技術」よりも「ノリ」や「仲間との共感」を重視するカルチャーだからです。
複雑なステップを必要とせず、誰でも簡単に真似できる手軽さは、SNS時代における最高の拡散力となります。
また、集団で同じ動きをすることで生まれる動画映えする「シンクロ感」も、流行を維持する大きな要因となっています。
誰でもすぐ真似できる手軽さ
横揺れダンスの流行を支える根幹は、その圧倒的な手軽さです。
足を肩幅に開いて、重低音のリズムに合わせて体を左右に揺らすというシンプルな動作なので、特別な技術や柔軟性、体力は一切必要ありません。
他のダンスのように、何時間もかけて難しいステップを練習する必要がないため、「ちょっとやってみようかな」と思ったらすぐに始められます。
この「すぐにできる」という点は、数秒の短尺動画が主流のSNS文化と相性抜群です。
一人でスマホに向かって揺れても、友達と集まって揺れても、すぐに動画を撮影・投稿できる気軽さが、老若男女を問わず横揺れダンスのブームを持続させているのです。
動画映えする“仲間感”やシンクロ感
横揺れダンスは、単調な動きであるからこそ、複数の人が同時に踊った際に動きがピタリとシンクロしやすいという特長があります。
数人から数十人の集団が、無表情でクールに横に揺れている映像は、視聴者に対して強いインパクトと視覚的な心地よさを与えます。
これがSNS上で「横揺れ界隈」として共感を生み、多くの「いいね」やシェアを獲得し、さらに流行を加速させています。
この「仲間と完全にノリが一致している」という一体感を表現しやすいことは、自己表現を重視する現代の若者にとって大きな魅力です。
横揺れダンスは、仲間感を演出する最高のツールとなっているのです。
文化・ファッションとしての楽しみ方
横揺れダンスは、ただ体を動かすだけでなく、一つのファッションやアイデンティティとして捉えられています。
重低音EDMに合わせて、カメラをじっと見つめながら無表情を貫くスタイルは、「静かな狂気」や「ミステリアスなクールさ」といった独特な世界観を構築しています。
この雰囲気は、ストリートファッションやアクセサリーと結びつきやすく、ダンスをしながら自分のスタイルやこだわりを表現する手段となっています。
また、クラブや街中で即興のパフォーマンスとして楽しむ「ライブ感」も、この横揺れダンスが持つカルチャー的な魅力です。
このように、横揺れダンスをトータルな文化として楽しむ層がいる限り、流行は簡単に廃れることはないでしょう。
まとめ
横揺れダンスは、シンプルな左右の揺れという手軽さから、ダンス経験に関係なく誰でもブームに参加できるという点で、現代のSNS文化と完璧にマッチしました。
元ネタとされる重低音EDM「CHERNOBYL 2017」と共に広まり、無表情や集団でのシンクロが「仲間感」を演出し、動画映えするクールなカルチャーとして定着しています。
その一方で、動きの単調さや特定の層との結びつきから「ダサい」「チャラい」と批判される側面も持っています。
しかし、このお手軽さと動画映えする一体感がある限り、横揺れダンスは単なる流行に終わらず、若者の新しい「ノリ」の表現方法として今後も進化し続けるでしょう。
ぜひ、この記事を参考に横揺れダンスにチャレンジしてみてください。

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